こんにちは。もるこ(@morumoruco91)です。
私はずっと昔からひそかに楽しみにしている番組があります。
「プロフェッショナル 仕事の流儀」です。きっとご存知の方もたくさんいらっしゃることでしょう。
今週は獣医師であり、エキゾチックアニマルを診る先生として有名な田向健一先生の特集でした。
私もいろいろと感じたことがあるので、特に伝えたいことを綴ります。
獣医師・田向先生ってどんな方?
田向先生が院長を務めている田園調布動物病院では、犬や猫はもちろん、モルモットやフェレット、ウサギやチンチラ、ヘビなどの爬虫類、カエルなどの両生類なども診療も行っています。モルモットを飼育していて本当に思ったのが、モルモットを診てくれる病院の少なさ。犬や猫以外の動物(エキゾチックアニマル)を診てくれる病院というのは、飼い主にとって本当に心強いものであり、なくてはならない病院です。
放送が終わっていつものようにブログを書いていて気づいたのですが、私がいつも参考にしているモルモット本のひとつ「モルモット完全飼育」の監修を務めていらっしゃるのが、この田園調布動物病院の副院長だそうで驚愕していたところです・・・(笑)
日向先生は幼少の頃にカブトムシと金魚を飼ったのを皮切りに、動物が好きで、その延長線上で獣医師になったといいます。奥さんも「仕事が好きというより、動物が好き」と放送の中で話していました。
犬猫以外の動物であるエキゾチックアニマルを診ると周囲に話をしたときに、大反対されたそうです。
「儲かるの?」
「人って来るの?」
などなど…
そんな中、唯一背中を押してくれたのが今は亡き両親だったといいます。
実家などを担保に開業資金を用意してくれ、無事に開業することができたそうです。
しかし思っていたほどエキゾチックアニマルは病院に訪れず、本当に挫けそうになる中、とにかく続けようと邁進してこられ、
あるとき、カエルが大量に死んでしまうという事態に陥ったとき、田向先生だけがカエルの些細な異変に気づき、多くの命を救ったそうです。
そして今の田向先生へとつながっていきます。
番組のタイトル通り、「一匹一匹、一歩一歩」という言葉がふさわしいほど、動物一匹一匹と真摯に向き合っている印象を受けました。特にエキゾチックアニマルを飼おうとしている方、飼われている方にはぜひ見ていただきたい番組でした。
番組内で診療をした動物の一部をご紹介します。
目が腫れて開かなくなったカメレオン。カメレオンは目と口が繋がっているために口腔内から目に細菌が入り込み、目が腫れてしまったそう。
カワウソは足が骨折し、その骨折した骨の破片が体内に入っていて、足が動かしづらくなっていたところを手術で小さな小さな破片まで取り除いていました。
リスざるは腸内にかなりの便が溜まり、排出する手術をしましたが、亡くなってしまいました。
ウサギは子宮全摘出手術を受けることになりました。
そして番組途中で最も印象に残った動物がチンチラです。
「”かわいい”を手に入れた責任」
『人の欲ってとどまることを知らない
極端なことをいうと
カッコいいものは手に入れたいという気持ちもわかるんです
でも知らない人は飼っちゃいけない
飼うのが極端に難しいとか大変だとか
人になれないものもたくさんいますから
だからそういうのを知って選択しないと
お互いが不幸になっちゃう
人が手に入れた以上
野生じゃないですよ
人間がある程度取り決めをしておかないと
動物も人間も不幸になる
要するに
「かわいい かわいい」じゃだめだし
責任を持って
きちんと見てあげるということ』
番組内でこの言葉が放送されたのは、チンチラのとき。
飼い主はチンチラが水を大量に飲むこと、人の汗を舐めることを不審に思って訪れました。
結果は「歯の伸びすぎ」
↑チンチラの伸びすぎた歯を診ようと、田向先生が口を開けています
チンチラ、モルモット、うさぎなどのげっ歯類は野生では木の実や根っこなどの硬いものを常に食べています。
こうすることで一生涯伸び続ける歯を削り、歯の噛み合わせをよくするんですね。
しかし家で飼われている場合、食べものやケージなどに気をつけなければ噛み合わせが悪くなります。
歯の噛み合わせが悪くなるということは、食べものを食べられなくなるということ。
食べられないことはつまり、生命の危機に値します。
番組内で紹介されていたチンチラは、前歯も奥歯も野生では考えられないほど伸び、
自分で食べものを歯で噛み、食べるのが困難になっていたようです。
そのため、チンチラは
・よだれが出る
・人の汗をなめる(栄養を摂ろうとしている)
などという行動をとっていると田向先生は語りました。
通常であれば、げっ歯類の歯が伸び続けないように飼い主は
たとえばチモシー1番刈りなどの硬い牧草を豊富に与える、かじり木を与えるなどをします。
これはこれらの動物を飼う上で常識です。
先生の言うように、知っていなくちゃいけない。
知らないなら、飼っちゃいけない。
動物を飼う前・飼うときには
動物って見てるだけで癒されるし、本当にかわいいし、なついてくれたら本当に疲れも吹っ飛ぶくらいかわいいです。
動物飼いたいな!っていうときはきっと「かわいいーーー!!」でいいと思うんです。
かわいいから、ほしい。でいいと思うんです。
でも、飼う以上は絶対に飼い方を知ってください。知る努力をしてください。
自分の私利私欲のためだけに動物を付き合わせるのは、命を粗末に扱ってるのと同じです。
特に今はネットが普及してるので、もし関連図書がなくても検索したらたくさん出てきます。
また判断に迷うときは獣医師に聞くのが一番です。
動物も人間も、気持ちよく生活したいものですね。